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女性の社会活躍を促進しだれもが働きやすい社会の実現を目指す。

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今回インタビューをさせていただいたのは、株式会社QOOLキャリアの山中 泰子さんです。

女性の活躍支援を通じて、多様な働き方ができる社会の実現に取り組まれています。

会社概要

企業名株式会社QOOLキャリア(クールキャリア)
代表者名山中 泰子
本社所在地東京都港区北青山2丁目12-28 青山ビル5階
事業内容産前産後女性向けのキャリア支援事業、
人事領域コンサルティング事業、
福利厚生サービス運営事業
設立2020年12月
従業員数7名(2022年12月時点、正社員のみ)
会社HPhttps://newcareer.qo-ol.jp/

特徴

  • 育児中の女性に特化した人材・職業紹介サービス
  • 女性社員活躍に向けた人事制度設計支援サービス
  • 従業員のQOLを向上させる人事領域コンサルティング
目次

事業内容について

編集部

株式会社QOOLキャリアさんの事業内容について教えてください。

山中さん:当社は、ライフステージにおける課題の解決を通して女性活躍を推進している会社です。特に女性のライフステージにおける課題について、 主にキャリア軸でサービスを提供しております。当社の事業は大きく分けて2つあります。

まず1つ目は、 産前産後女性向けのキャリア支援事業です。当社のサービスをご利用いただいている方の多くは育休明けであったり子育てしながら働いている女性で「時短で働きたい」「週4日で勤務したい」「正社員でキャリアを積みたい」といったご要望に適った求人の紹介をしています。

その他にも、キャリアに関するお悩みや職場復帰に対するご不安などを面談やLINEでお聞きするというサービスや、育休中の副業やインターンシップのご紹介なども行なっております。

また、to Bのビジネスとして福利厚生サービス「TUMUGU」の提供を行なっております。「TUMUGU」は導入いただいた企業の従業員の方が、妊活や子育て、介護、更年期などそれぞれのライフステージに応じてほしい情報や商品が得られるサービスです。その他にもセミナーや専門家による相談窓口なども提供しております。

当サービスは、ベンチャー企業やこれから事業を拡大させようという過渡期にある企業様に多く利用していただいています。

人事・労務体制が整っていなかったり、従業員向けの相談窓口の設置がなされていなかったり、そういった企業様に当社のサービスを導入していただくことで、従業員の方々のQOL向上につなげていただけるサービスです。

女性の社会活躍は、女性の人権向上や男女平等の実現のためだけではなく、少子化や労働力不足といった問題を解決するためにも社会全体で取り組んでいかなければならないテーマだと考えています。

QOOLキャリアを設立した理由

編集部

山中さんがQOOLキャリアを設立した理由を教えてください。

山中さん:私自身もこれまでライフステージの変化によって、キャリア形成で苦労をした経験があるからです。不妊治療を2年間ぐらいやっていたり、育休明けに職場復帰をしたら自分のかつてのポジションがなかったという経験をしたり、保育園の問題で奮闘したり。

それでもその都度、働き方や雇用形態を変えて、なんとかキャリアをネガティブにしない方法を自分なりに試行錯誤してきました。派遣でも働いたこともありますし、契約社員、パラレルワーカー、フリーランス、そして今では会社の代表と、本当に色々な働き方を経験してきました。

最近では女性活躍に対する社会や企業の体制も改善されてはいますが、私がしてきたような大変な思いをしなくても女性がもっとスムーズに世の中で活躍できる環境づくりをしたいと考えこの会社を設立いたしました。

QOOLキャリアの社内の雰囲気について

編集部

QOOLキャリアの社内の雰囲気について教えてください。

山中さん:当社は子育てママ100%の会社です。勤務時間は8時半ぐらいから4時とか4時半くらいまでとしている方が多く、育児や家事は配偶者と役割分担したり、どちらかが在宅ワークにしてバランスを取ったりして調整をしています。

先ほどもお話しした通り当社のサービスを利用されている方は子育て中の女性が多いので、同じ目線であったり、あるいは子育てママの少し先輩としてアドバイスできるという点が利用者からはとても好評です。

たとえば保育園一つをとっても、自治体によってルールは様々ですし、保活における転職の注意点や就労証明書の取得に潜む落とし穴など、経験した人にしか分からないこともたくさんありますから、利用者の方にとってかなり心強い相談相手になれていると思います。

QOOLキャリアで募集中のポジションについて

編集部

QOOLキャリアさんで現在募集されているポジションについて教えてください。

山中さん:当社ではただいまキャリアコーディネーターの業務を担っていただける方を募集しております。具体的には、女性求職者様へのキャリアコンサルティングや企業に対して人材紹介を行っていただくポジションです。

当社ではスタートアップから大手まで幅広い企業に対して人材を紹介しているので、この業務を通じていろいろな経験を積んでいただくことができます。

求職者様との面談やコンサルティングでは、育休からの復帰で困った経験や妊活に取り組んだ経験など、ご自身の実体験を存分に生かしていただきたいと考えています。

未経験であっても子育て中であっても、意欲さえあれば高いパフォーマンスを発揮していただけるはずです。

当社では皆さんが入社後すぐにご活躍され、ゆくゆくは理想のキャリアを築いていただけるようなサポート体制をご用意しております。

QOOLキャリアを利用している方の印象

編集部

QOOLキャリアさんのサービスを利用されている方々とたくさん面談をされてきたかと思いますが、利用者に対してはどんな印象をお持ちでしょうか?

山中さん:人生を構成する要素として、ライフ(家庭)とキャリア(仕事)という2つの軸が果たす役割が大きいと考えていて、日本の場合はライフの部分を女性が担うという考え方がどうしても強いということは、皆さんご存じかと思います。

しかし、人生100年時代に突入し70歳まで働く可能性がある一方で、子育てをする期間というのは10〜15年程度です。10〜15年間のライフのことを優先させ過ぎてしまい、その後何十年間のキャリアのことを視野に入れられていない方が多いと感じています。時にはライフとキャリアの両立が難しいことがあるのも事実です。会社に所属しているのなら、会社の事情や目標、事業のスピードなどが、その時の自身とマッチしないことだってあると思います。

どうしてもライフとキャリアの両立ができなくなってしまって、キャリアに関してブレーキを踏まないといけない状況になった時、次にまた走り出す際によりスムーズにことが運べるように、「どうブレーキを踏むべきか」をもっと考えてほしいです。

とある事情でキャリアを一時中断することになっても、一段落した時のことをもっともっと考えて、家族とたくさん話し合って、長い目で見たうえで、最適な中断の仕方を導き出そうというマインドをお持ちになると、意外に選択肢は多いんだということに気づいていただけると思います。

女性の社会活躍をさらに促進するために

編集部

女性の社会活躍をさらに促進するために必要なことはなんでしょうか?

山中さん:完璧主義をやめることでしょうか。

ライフとキャリアの両立について考える時、「働きながらだと育児が疎かになってしまう」、逆に「子育てしながらだと仕事に支障が出てしまう」、だから「どちらかを選ばないといけない」と思ってしまったり。あるいは、ライフの大部分を配偶者に担ってもらっている方は、「家族を養わなきゃ」「頑張って昇進しなきゃ」という風に思い込んでしまったり。そういった完璧主義が選択肢を狭めてしまっているのではないかと感じています。

これは子育て世代じゃない方々にもいえることです。日本は長年「女性が家にいて、男性が外で働く」というカルチャーが主流でしたので、いまだに社会や企業にそのカルチャーが根付いてしまっているのが現状です。

そんな男性が創り上げてきた企業の体制に、女性が無理やりハードワークで挑む必要もないと私は考えています。男性と女性で体のつくりに違いがあるのは当然です。女性には生理がありますから、一ヶ月の中でハイパフォーマンスを発揮できる期間は限られてきます。

それなのに、これまでと体制も文化も変化していない会社で出世するために、先輩よりに先に帰ってはいけない、夜遅くまで働かないといけない、飲み会には参加しないといけない、そういった慣習や期待に応えないといけない・応えたいと思ってしまうことが、多くの人を苦しめていると思います。

周囲の期待に応えたい、自分の理想に近づかないといけない、そういった意識が日本のカルチャーでは強すぎるのかなと感じています。社会全体がその完璧主義から離れることができれば、どのライフステージにおいても今より多様な選択肢を持ちやすくなるのではないでしょうか。

編集部

女性の社会活躍のために、企業側に求められることはなんでしょうか?

山中さん:もっと女性のこと、女性を取り巻く現状について知っていただくことです。

現在上場している企業の内、管理職に女性が0人という企業が約75%というデータが出ています。直近1年間でIPO(新規株式公開)をした企業のうち、女性の創業者はたったの3%です。これらのことから、いまだ社長や経営層の多くは男性であるということがいえると思います。

こういった状況下では、従業員である女性は自分の体や家族の悩みだったりを経営層・上司に話しづらいのは当然のことで、一方で男性側も「どこまでこちらから聞いたらいいのか」「こういうことは言っていいのかな」と不安に感じてしまうのも当然です。

女性のキャリアについて言及するうえで、体のことといったセンシティブな話題を避けることはできません。そのためコミュニケーションが進まず、企業側も従業員側も何も言えずに諦めてしまうという結果に陥りがちです。解決をしようとする以前に、課題の把握すらままなっていないというのが多くの企業の現状かと思います。

当社が「TUMUGU」で提供しているセミナー以外にも、世の中にはこういった情報を発信しているものはたくさんあります。そういった機会を活用しながら、まずは経営層にいる方々が女性のこと、女性を取り巻く現状について知ろうとすることから始めていただきたいです。

読者の皆さまへメッセージ

編集部

読者の皆さまへメッセージをお願いします。

山中さん:自分の体のこと、ライフとキャリアのプランについて知ること考えることを、今この瞬間から始めてください。特に女性の体に関することは、後から知って後悔するというパターンがとても多いです。妊娠率が加齢に伴って低下することや育休明けの保活のルールなど、自分が選択を差し迫られた時にはどうにも立ち行かなくなってしまっているということが多々あります。

逆に早くからそれらのことについて知っておけさえすれば、いざという時により多くの選択肢から自分にとって最適の道を選ぶことができます。

今、世の中にはたくさんの情報が溢れていますが、ぜひエビデンスのある正しい情報に触れるように心がけていただきたいです。

また、そういった情報リテラシーの向上を従業員に促すのも企業の役割の一つです。従業員だけでなく企業がそういった共通認識を持つことができれば、男性も女性も関係なくみんなが働きやすいウェルビーイングな会社づくりが可能になると思います。こういった取り組みは一見従業員のためだけのように見えますが、離職率の低下や管理職離れの改善など、企業側にも大きなメリットをもたらすものです。

ぜひ皆さんで一丸となって、女性の社会活躍のために取り組んでいきましょう。

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